SOCSYS031: THE 31ST SYMPOSIUM OF TECHNICAL COMMITTEE ON SOCIAL SYSTEMS
PROGRAM FOR SUNDAY, MARCH 5TH
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15:10-16:10 招待講演 (1)

講演者: 一般社団法人ソサエタルデザイン研究所 代表理事 寺野隆雄

演台:「デジタル社会実験の実現にむけたデータ・モデル・コミュニケーションの役割(仮)」

Location: 星砂S
16:30-17:00 オープニング

(1) 開会の挨拶

(2) 諸注意事項のご連絡

Location: 星砂S
17:20-18:40 Session 1A: ミドル発表 (1a)
Location: 星砂S
17:20
コンビニエンスストアにおける非購買サービス利用と購買行動

ABSTRACT. 本研究では,コンビニエンスストアの利用方法の中でもトイレや立ち読み, ゴミ捨て, 喫煙などといった店舗への売上に直接関わりのない非購買サービスの利用実態に焦点を当てる.実店舗での非購買サービスの利用実態を調査し, 非購買行動から購買行動への移行割合を計測することにより,どの様なサービスが購買行動に影響を及ぼしているのか,またどの様な非購買サービスが顧客に望まれているのか, 様々な視点から詳細に調査・分析する.

17:40
多目的最適化社会シミュレーションにおける解集合の形状生成要因特定と決定変数空間分析の手法の提案

ABSTRACT. 多目的最適化社会シミュレーションにおいて,出力されたパレート解集合に対して効果的な分析手法を明らかにすることは,研究者のみならず一般の利用者がシミュレーションの特性を理解するために有用である.本研究の提案手法の前半では目的関数空間上のパレート解集合に対しクラスター分析を行い,その結果を決定木モデルでの説明変数として学習を行うことで,解空間の形状を決める要因を特定する.後半では,ヒートマップを用いて決定変数空間上のパレート解集合を描画し,パレート解集合において各決定変数の特徴や,決定変数同士の関係を分析する.本研究では,これらの分析手法の有用性を適用事例から述べる.

18:00
商品の出荷パターンに基づく集約を用いた商品の潜在売行予測方法の検討

ABSTRACT. 本研究では,製パン企業の工場出荷データを用いてパン商品を推薦するシステム開発の前段階として既存の推薦システムを用いて潜在売行予測の研究を行う.製パンは多種多様な商品が取り扱われているため,購買が似ているユーザーを参考にする一般的な推薦システムである協調フィルタリングでは,多種多様なパン商品を単品で推薦するのは難しい.そこで,本研究では商品に対して出荷パターンという潜在的類似性を考慮したクラスタリングを行い商品の種類数を減らすことで,出荷数量を評価値とした既存の推薦手法による潜在的な売行を予測する手法の検討を行う.

18:20
ハイパーゲームを用いた不完備情報下におけるジレンマの分析
PRESENTER: Ryotaro Sasaji

ABSTRACT. 本研究では,完備情報下においては望ましい結果が得られるが,不完備情報下においては誤っている主観的な認知が望ましくない結果を導く状況を問題状況とした.またこのとき,誤っている主観的な認知が維持される状況が存在することを発見しこれらを”認知のジレンマ”と定義した.ハイパーゲームを基本的な枠組みとするモデルを用いることで,”認知のジレンマ”が望ましくない結果を導く状況を論理的に整理し,新たな知見を獲得した.具体的には,正確な認知から僅かに相違する場合と大きく相違する場合のどちらも”認知のジレンマ”を引き起こすこと,また相手に対する二つの疑いが”認知のジレンマ”を引き起こすことを示した.

17:20-18:40 Session 1B: ミドル発表 (1b)
Location: 珊瑚
17:20
サーキュラーエコノミーにおける耐久消費財の製品循環と消費者行動のエージェントベースモデル開発

ABSTRACT. 製品や素材の価値を有効活用するサーキュラーエコノミー(CE)における消費者行動と環境影響を評価する手法が確立していない.本研究では,7つのCE戦略(リファービッシュ,シェアリング等)を対象とする耐久消費財の製品循環と消費者行動に関するエージェントベースモデルを開発した.消費者行動の限定合理性を踏まえ,社会ネットワーク上の探索,考慮集合と知名集合の形成,社会的影響を含めた消費者行動モデルを提案し,CEにおける製品の製造から循環までの工程と消費者行動との相互作用をモデル化した.2種類の家電製品を想定した仮想的数値実験により,製品サービスの普及,製品の循環性,環境負荷を動的に定量化し,モデルの実用性を示した.

17:40
エージェントベースシミュレーションによるネットワーク効果が働くソーシャルゲームの市場分析

ABSTRACT. ソーシャルゲーム市場発展の要因としてネットワーク効果の影響が挙げられており,様々な関連研究が行われてきたが,ネットワークの大きさやゲーム市場の競争の激しさと,売上との関係を分析した事例は少ない.本稿では,ソーシャルゲーム市場の収益メカニズムに着目し,ゲーム外に存在するSNS等のコミュニティにおける消費者間の相互作用を前提としたエージェントベースシミュレーションを実行した.分析結果から,消費者ネットワークの大きさやSNS上の消費者間の繋がりの強さが,ゲーム市場の売上の格差に関係している可能性が示された.

18:00
交通渋滞解消に向けた道路交通シミュレーションツールの開発

ABSTRACT. 深刻な社会問題である交通渋滞の解決策として, 新たな道路の建設, 信号周期の変更, ドライバーへの走行方法の啓発などがある. 解決策を検証する上で, 公道での実験は不可能であるが, 交通流を再現したシミュレーションを用いた検証は実現可能である. 本研究では, 数多くの場所で発生する交通渋滞の軽減を効果的に実現させることを目標に, 道路交通シミュレーションツールを開発した. ユーザーは, 主にマウスを用いた簡単な操作で道路と交通規制を設計する. 複数車線の交差点や, 高速道路の合流部などの複雑な構造も表現できる. 車両は, 車線や信号機などの交通規制, 他の車両を認識し適切に走行する. 道路構造や交通量の違いによる渋滞の発生度合いを比較する実験を行い, シミュレーションの精度を評価する. 最後に, 本ツールの利点や課題を述べる.

18:20
所得推定を伴うマイクロシミュレーション ー既存の社会保障制度とベーシックインカム制度の比較ー

ABSTRACT. 従来の社会保障制度に代わる政策として,政府が全国民に対して最低限の生活を送るのに必要な額の現金給付を無条件に行う政策であるベーシックインカムが期待されている.本研究は,マイクロシミュレーションモデルを用いてベーシックインカムが貧困問題の解消に有効であるか考察する.これまでの研究では,浜松市中区を対象とし,一年のみのシミュレーションを行った.本研究では,人口などの変化に応じたシミュレーションサイクルを用いることにより,ベーシックインカムが人々の所得に与える長期的な影響を考察する.