SOCSYS031: THE 31ST SYMPOSIUM OF TECHNICAL COMMITTEE ON SOCIAL SYSTEMS
PROGRAM FOR TUESDAY, MARCH 7TH
Days:
previous day
all days

View: session overviewtalk overview

09:00-10:20 Session 6A: ショート発表 (1a)
Location: 星砂S
09:00
より良い地域包括ケアシステム構築のための指標定義と需要予測

ABSTRACT. 地域包括ケアシステムとは、高齢者が自分らしい暮らせるよう支援することを目的とした制度であり、2025年を目処に各自治体が実現に向けて取り組んでいる。実現のためにはサービス内容・提供方法の地域特性や、多様な需要発生を考慮した根拠ある制度設計を行う必要がある。しかし、総合的に地域包括ケアを扱った研究が十分ではなく、客観的指標に基づく計画立案を支援する方法は確立されていない。そこで、本研究ではより良い地域包括ケアシステムの実現を目的とし、各自治体における地域包括ケアの現行体制を評価する指標を策定する。さらに、地域におけるサービスの需給を再現したシミュレーションモデルを構築し、策定した指標を評価軸にサービスを最大限提供できる制度設計に貢献する。

09:08
大学進学における人口移動モデルの構築

ABSTRACT. 複雑系である社会システムにおいて施策の効果を評価するためには,社会システムの振る舞いを表現する必要があり,人口動態が重要な情報となっている.しかし,代表的な人口推計データはコーホート要因法による投影的な人口推計であり,社会課題解決に向けた大規模な転換シナリオの表現や地域間の相互作用を考慮した人口予測が可能な環境は,まだ整っていない.そこで本研究は,イベントドリブンな人口予測モデルの構築の足がかりとして,人口動態への影響が大きく,ライフイベントの一つである大学進学における人口移動モデルをエージェント・ベースのアプローチによって構築する.

09:16
労働社会モデルの構築と労働生産性向上のための労働施策の検討
PRESENTER: 和 小平

ABSTRACT. 近年,日本の労働生産性が他の先進国と比較して低水準であることや,ワークライフバランスの浸透によって働き方改革が提唱され,多様な働き方の導入が進んでいる.今後もその導入は広がりを見せると予想されるが,現状,多様な働き方が労働生産性に与える影響については定量的に分析した文献は存在しない.そこで本研究では,労働者の働き方の選択や企業の労働条件の採択等の意思決定を表現した労働社会のモデルを構築し,多様な働き方の導入をシミュレーションする.構築したシミュレーションモデルを通じて労働生産性の推移を分析することで,労働者のワークライフバランスと,労働生産性の関係性を定量的に評価し,シナリオの妥当性を検証することで日本の労働社会の在り方を検討する.

09:24
国民の生活行動に基づく電力需給シミュレーションシステムの構築

ABSTRACT. 近年, 化石燃料の高騰や非常時の火力発電所の稼働停止, 気温変動による冷暖房需要の急増など様々な原因から影響する電力需要逼迫が問題視されており, 政府は電力インフラを大幅に改善する必要があるという見解を示している. しかしながら, 電力インフラの改善検討には電力需要の変化を考慮する必要がある. 本研究では, 電力需要を把握し電力インフラの改善を検討するため, 電力需要の変化に影響する人々の生活に伴う電力消費, 天候などの外部環境を考慮した電力需給のシミュレーションモデルを構築する. 構築するモデルを用いて安定供給できる電力インフラの在り方の検討を目的とする.本稿では, アブストラクトモデルの構築をおこなった.

09:32
決定木を用いた病院の悪評に潜む要因の分析−

ABSTRACT. 悪評の流布は中長期に見て病院経営における重要なリスク要因とされる. 本研究は, 代表的な病院の口コミサイト「病院なび」を対象にして, 主に精神科を運営する全国の医療機関に対する口コミデータをスクレーピングし, 「誰が何を気にして低い評価点を付けるのか」を, 決定木を用いて明らかにした.

09:40
全国規模での建物の用途判別手法の検討

ABSTRACT. 合成人口データは,それらを住居に割り当てるときに,病院や公共施設など住居でない場所に割り当てる可能性がある.この問題は,全国の建物の用途が記載された地図が著作権上利用不可であるが故に発生している.本研究では,建物の用途が記載された利用可能な地図の作成実現に向け,宅地利用動向調査,電子国土基本図(オルソ画像),標準地図を用いた建物の用途判別を行う予定である.

09:48
建築積算監理のための物品利用事例検索システムの開発

ABSTRACT. 建築工事を行うにあたって,その工事の各工程ごとに必要な物品の情報をまとめた,内訳書と呼ばれる書類を作成する積算業務がある.さらに,積算業務の後に内容の妥当性を確認する監理業務と呼ばれる業務がある.監理業務では,過去の工事の内訳書における利用事例を参考にして妥当性を判断する.その際,現状は過去の内訳書が工事ごとに独立して保管されており,目的の情報を探し出すために膨大な時間と労力が必要となる.そこで本研究では,過去の内訳書をデータベース化して内訳書の情報基盤を構築し,工事や項目の条件を指定して利用事例を簡単に検索できるシステムを開発し,監理業務を効率化する.

09:56
店舗内エリアの滞在時間に着目した購買行動シミュレーションモデル

ABSTRACT. 小売店のID-POSデータと連動した店舗内回遊データを利用すると,顧客の店舗内での回遊購買行動を明確化でき,それを再現することが可能となる.本研究では,先行研究で提案された購買行動に関するシミュレーションモデルを改善し,より現実的な購買行動の再現を可能にするモデルを提案する.具体的には,店舗内の商品エリアへ侵入した際に一律に与えていた購買確率を修正し,当該エリアへの侵入タイミングと当該エリアでの滞在時間の長さによって,異なる購買確率を与える.計算機実験により,先行研究の結果を改善させたことを示す.

10:04
システムデザインのための対話型モデリングツール ―コンセプトと実践例の紹介―

ABSTRACT. チームやステークホルダ間で対話しながら共同でシステムモデルを構築していくことのできる対話型のモデリングツールを開発した。これを用いると、システムモデルを媒体としたコミュニケーションにより合意や共通理解を形成しながらシステムデザインを進めることができる。本発表ではツールのコンセプト・機能・特徴などに加え、実践例として宇宙機システムの設計や組織システムの設計に対話型モデリングを適用した例を紹介する。

09:00-10:20 Session 6B: ショート発表 (1b)
Location: 珊瑚
09:00
仮想個票データによるテレワーク頻度を考慮した居住地分布の変化の予測

ABSTRACT. 近年はテレワークを通じて居住エリアの選択が従来よりも広範囲になることが予想されている.本研究ではテレワーク事業に注力している静岡県静岡市を対象エリアとして,従来の居住地選択に関する価値観パラメータの推定後,テレワークの実施頻度や自宅の作業スペースの確保のための床面積の増加を考慮した際の居住地に対する嗜好の変化や居住地分布の変化を予測する.仮想個票データを用いることで先行研究では明らかにされなかった世帯や市民属性の違いによる個人の居住地選択行動を分析することが可能となる.

09:08
直近の回遊履歴に基づく小売店舗内回遊予測手法の開発

ABSTRACT. ECサイトやネットスーパーが増え続けている中で実店舗が売上を伸ばすためには実店舗特有の回遊を活かしたプロモーションが必要だと考える.そこで本研究では店舗内回遊の予測手法開発を試みる.また,開発した手法を実店舗に適用し手法の有用性を確かめる.回遊を予測しプロモーションを行うことができれば,滞在時間増加や満足度向上に繋がり売上も増加すると考える.

09:16
主体的な健康増進実現におけるコミュニティがモチベーションへ及ぼす影響の一検討

ABSTRACT. 超高齢社会を迎えた日本において,健康寿命を延ばすことにより活力をもって暮らすためのSociety 5.0時代のヘルスケア実現を目指し,我々はサイバー空間上に形成したコミュニティを通して運動するモチベーションを増加させられるヘルスケアシステム構築に関する研究を進めている.本稿では,我々が提案するヘルスケアエコシステムの概要を述べるとともに,エージェントシミュレーションにより,形成されるコミュニティを通した運動に対する意欲の変化を可視化し考察を行う.

09:24
健診・医療・介護ビッグデータを用いた疾病発症の予測

ABSTRACT. 本研究では,鳥取県国民健康保険団体連合会が保有する国保データベースシステムに蓄積されている健診・医療・介護ビッグデータを用いて疾病発症の予測および発症要因の特定を目的とする.糖尿病,高血圧症,脂質異常症,および3つの疾病をまとめて定義した生活習慣病の4種類を分析対象に,被保険者の将来3年間における疾病発症確率をディープニューラルネットワークにより予測し,PFI指標と決定木分析によって疾病発症要因の特定を行った.

09:32
GPT-2を用いたテーマパーク内移動軌跡の時空間情報生成

ABSTRACT. Mizuno, Fujimoto, and Ishikawa (Front. Phys. 2022)は,緯度と経度で表された空間情報を相対的な位置を表すユニークなトークンに変換することで,自己回帰型言語モデルGPT-2で,移動時間の解像度が一定の個人の移動軌跡が生成できることを示した.ところが,一般的なスマートフォンのGPSから得られる位置情報は、記録頻度が一定でないことが多い.そこで我々は,位置を表すトークンの前に出発地から目的地までの移動時間間隔を表すユニークなトークンを加えることで,移動軌跡の生成モデルの時間解像度を可変長に拡張する.

09:40
グローバルな企業情報の接合による経済安全保障リスクの可視化

ABSTRACT. シャープレイ=シュービック投票力指数を複雑ネットワークに拡張したNetwork Power Index(NPI)を,約4億株主で構成されるグローバル株所有ネットワークに適用することで,投資による株主と企業との間接的な支配関係を定量化する.そして,株所有ネットワークに,役員ネットワーク,サプライチェーン,不動産所有者ネットワーク等を,企業情報を鍵として,自然言語処理BERTを応用したEntity Matching Dittoを用いて接合することで,様々な経済活動に潜む外国政府の影響に関する経済安全保障リスクを可視化する.

09:48
システム間連携による価値創出に向けた公共交通に関わるステークホルダの関係性分析

ABSTRACT. 「超スマート社会」実現に向けた社会課題の一つである公共交通における課題解決に向け,我々は,公共交通に関わるステークホルダに着目し,各ステークホルダの連携協調による価値向上を目指している.本稿では,システム間連携に重要な System of Systems (SoS) の概念,並びに公共交通の課題やシステム間連携の重要性について述べるとともに,各ステークホルダの関係性について分析を行う.

09:56
社会課題解決に向けたマルチドメイン融合シミュレータの開発 ー (1)アーキテクチャ ー

ABSTRACT. 社会課題解決のための,複数ドメインのシミュレータを連携して動作させる融合シミュレータを提案する.本融合シミュレータは,各ドメインのシミュレータ間で直接データを共有するのでなく,ドメインを横断する人やモノなどのエンティティに連携ロジックをもたせ,エンティティが主導して各シミュレータを連携させることで,シミュレータ間の結合を疎に保ち,シミュレータの柔軟な追加や削除を可能にする.本融合シミュレータの有用性を確認するため,電動スクーター事業者を題材としたシミュレーションの実装を行った.

10:04
社会課題解決に向けたマルチドメイン融合シミュレータの開発 ー (2)ドメインシミュレータの開発 ー

ABSTRACT. 複雑な社会課題の早期解決のため,実世界を模擬したヒトや車といった主体が分野ごとのシミュレータ(ドメインシミュレータ)を渡り歩くことで施策の効果を評価する融合シミュレータを検討している.本発表では融合シミュレータのドメインシミュレータのひとつとして,SOARS を用いて開発した電動スクータの在庫管理や予約・貸出シミュレータについて紹介する.

10:30-11:50 Session 7A: ショート発表 (2a)
Location: 星砂S
10:30
住民基本台帳人口を用いた国勢調査の非調査年度の人口推定

ABSTRACT. 昨今,感染拡大を続けるCOVID-19の感染に関わるシミュレーションや災害発生時の避難行動のシミュレーションなどに人口構造をモデル化したデータである 原田(2018)らが作成した合成人口データが活用されている.この合成人口データは5年毎に実施される国勢調査を基に構成されている.そのため,国勢調査が実施されていない年に関する精緻なシミュレーションが難しい現状がある.そこで本研究では,各自治体が独自で公表している単年毎の人口データを用いることで国勢調査間の人口動態を推計し,より精緻なシミュレーションを可能とすることを目的とする.

10:38
一般市民による救命活動の課題点の分析

ABSTRACT. 道端で倒れている心停止傷病者が一般市民により発見され,通報に至るというケースが多く存在している.しかし,救急車が到着するまでにある程度の時間を要する.一方,傷病者の心臓は停止し血液を送り出せない状況にあるため心停止発生から時間が経つほど生存率は下がってしまう.つまり目撃者による救命活動実施が傷病者の生存率維持に多大な影響を与える.本研究では,アンケート調査により回答者の属性や思考情報を抽出し,一般市民による救命活動の課題点を分析する.

10:46
自宅での心停止に対する AED 運搬支援システムの効果の可視化

ABSTRACT. AED使用率向上に向けて,AED運搬支援システムと呼ばれる,119番通報を受けた指令員が事前に登録した協力者に対して現場へのAED運搬の要請ができるシステムが検討されている.そこで本研究では,神奈川県58市区町村を対象にリアルスケールな社会シミュレーションを行い,このシステムを導入した場合の自宅でのAED使用率に対する効果の可視化を試みた.

10:54
社会シミュレーションのためのデータ合成

ABSTRACT. 合成人口データはリアルスケールの社会シミュレーションにおいて不可欠の技術として位置付けられる.これは従来,国勢調査など「個票」がデータとして存在するものについて匿名化などの方法で利用を検討してきたことと発想を異にし,集計量として公表されている統計に合致することを条件に仮想の人口を 構成することで,個人情報を利用することなく,個人レベルのシミュレーションを可能にしたことにある.本稿では,合成人口の背景にある考え方を踏まえ,社会シミュレーションのためのデータ合成技術としての一般化を提唱する.

11:02
パーソナルデータの集約に関する消費者の関心

ABSTRACT. 個人に関する様々な情報・データを連結するほど,その個人像がより詳しく描かれる.本研究はそうしたパーソナルデータの集約を事業者側ではなく個人側が行えることに着目する.一般消費者に対するアンケート調査の結果,パーソナルデータの集約の権限が本人にあると良いという回答が圧倒的多数であった.本調査の他の質問項目の回答からも,本人に権限があるということを浸透させることが,データ活用に対する一般の人々の安心材料につながるのではないかと思われた.

11:10
形式概念分析を用いた物損事故発生地点における人身事故発生リスク抽出手法の検討

ABSTRACT. 近年, 交通事故による死者数は減少傾向にあるが, 交通事故死者数に占める高齢者の割合は増加傾向にあり, 高齢化がさらに進行すると考えられていることから今後も人身事故の予防に対する取り組みが必要であると考えられる. 本研究では, 過去に発生した交通事故データをもとに, 物損事故が発生した地点における人身事故発生リスクを分析する手法を検討した. 形式概念分析を用いて人身事故に見られる傾向や人身事故に包含される属性集合を抽出し, 抽出された属性集合を含む物損事故の発生地点における人身事故発生率を調査した.

11:18
課題管理アプリにおける学生間のインタラクション機能の検討

ABSTRACT. COVID-19拡大により人々は大学の授業は一時的にオンライン授業に移行した.オンライン授業下でも対面時と同じような学びを提供するために様々な研究が行われており,学生同士のつながりを意識した課題管理アプリケーションも開発されていた.本研究では,SNSのいいね機能などを参考に学生同士のつながりをより強くする機能を検討し,新たな課題管理アプリケーションReminderConnectを開発する.ReminderConnectでは,SNSのお気に入り機能を参考に課題情報の複製登録機能と,課題情報に対するいいね機能を追加した.実験では被験者12名にReminderConnectを2週間利用してもらう模擬実験を行い,使用感を聞いたアンケートの結果から,学生同士のつながりを多くの被験者が感じていることが分かった.

11:26
企業のSDGsの取り組み量推定を用いた財務情報分析法の検討

ABSTRACT. SDGsと企業経営の相乗効果が生まれることは,当該企業と社会双方にとって重要である.一方で,企業業績とSDGs取組量の関係の分析に適した指標は未だ示されていない現状である.本研究では,財務情報との比較をねらいとしたSDGs取組の定量化手法として,統合報告書を活用する方法を提案する.また,提案手法で得られた推定SDGs取り組みと財務情報の関係の分析を行う.18の企業を対象に,統合報告書目次のテキスト分析を行い,SDGs記載比率を推定した.得られたSDGs記載比率と財務情報の関係性についてガンマ回帰分析を行った結果,推定SDGs取組量と企業の生産性の関係性が示唆された.

11:34
合成人口データへのビッグ・ファイブ・パーソナリティ属性の割当て

ABSTRACT. 本研究では,心理学のビッグ・ファイブ・パーソナリティ(以下,Big 5)を使用し,合成人口データの世帯構成員に心理属性を付加する.具体的には,Big 5 の性別の心理属性分布を用いて,合成人口データの世帯構成員の性別をもとに,心理属性値を割り当てる.各心理属性値の分布を確率分布とする手法(方法1)と,複数の心理属性間の分布を確率分布とする手法(方法2)を用いて, 心理属性値を割り当てた.いずれの方法でも各心理属性の分布を適正に付加することができるが,方法1では心理属性間の関係性が保持できないことがわかった.

10:30-11:50 Session 7B: ショート発表 (2b)
Location: 珊瑚
10:30
救急医療シミュレーションプラットフォームの構築

ABSTRACT. 救急医療では,高齢化により急病患者の需要が増加に伴い,救急搬送困難事案が発生している.持続的に質の高い救急医療提供体制を維持するには,現行体制の改善だけでなく、人口動態の変化に伴う救急医療需要の変化を見据え、体制整備や施策立案を行う必要がある.本研究では,救急搬送困難事案に対して,患者や政策的観点から救急医療体制の評価・分析を行うことを目的に,救急患者の発生から退院までの一連のプロセスを表現可能なシミュレーションモデルを構築する.

10:38
地方創生策の効果検証のための地域経済循環システムの構築

ABSTRACT. 国内における人口減少と高齢化が地域経済を縮小させている.内閣府は、これらの課題を是正し,将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために,まち・ひと・しごと創生基本方針を掲げている.本研究では,地域外との所得の流出入を加味した地域経済循環をシミュレーションにより再現し,地方創生策の一つである産業誘致策を行うシナリオにおいて,地域内の生産額を分配額で除した値である地域経済循環率の推移を観察し考察した.

10:46
交通及び生活行動モデルを導入した社会シミュレーションプラットフォームの構築

ABSTRACT. 本研究では、エージェントベース社会シミュレーション開発のためのプラットフォームを構築する。シミュレーションに参加するエージェントが、移動を伴う行動を発生させること、移動発生時に交通手段を選択・利用することの2つのモデル化が課題である。これらのモデルを、大規模社会シミュレーションに導入することで、モデル構築の負担を軽減させることと、交通インフラや生活圏を考慮できることでより現実的な政策決定が可能になると考える。

10:54
ベーシックインカムの実現性評価のためのマクロ経済モデルの構築

ABSTRACT. ベーシックインカムは,現行の社会保障制度が抱えている問題の解決や景気効果など様々なメリットが期待されているが, 財源問題などの懸念点も存在する.国の制度として導入された事例は存在せず,ベーシックインカムの実現性は不透明であるのが現状である.そのため,本研究では.統計データを元に経済主体間のお金のフローを表現したマクロ経済モデルを構築し,ベーシックインカム導入による政府の財源面での実現性を評価した.結果として,ベーシックインカムが6万円の場合不足することはなかったが,12万円では消費税を10%増額させなければ不足することが分かった.

11:02
複雑な感染症政策を検証するためのエージェントベースモデルの構築

ABSTRACT. 2019年末より,世界中に蔓延した新型コロナウイルス感染症は,日本にも多くの感染者をもたらした. 感染の拡大を防ぐため,日本政府は多くの感染症対策を行なったが,一部地域では医療崩壊や保健機能の停止が発生するなど,感染症対策の脆弱性が露見した. 新型コロナウイルスはまだ終着を迎えていないが,来る新規感染症に向けて政策の評価は喫緊の課題である. 本研究では,エージェントベースシミュレーション記述言語であるSoars Toolkitを用いて,感染症やその対策をサブモジュール化し,複合的な感染症政策の効果を検証するためのシミュレーションを構築した.

11:10
大学を対象とした災害対策本部訓練の開発と実践

ABSTRACT. 災害発生時,組織では各々の防災計画に基づいた迅速かつ的確な対応を取る必要がある.大学組織も例外ではなく,教職員及び学生への対応を行う必要がある.そこで本研究は教職員を対象とし,大学が災害時における対策本部の運営を体験する訓練内容を作成した.実際に,教職員が訓練を行うことで,ICSの原則に沿った大学版ICSによる組織構成の取れた災害対策本部の設置とCSCAに基づく初動対応が可能となった.

11:18
HPV感染シミュレーションの構築とHPVワクチンの効果検証

ABSTRACT. 本研究では,HPVの型やワクチンの種類を考慮した政策効果への言及を新規性とし,先行研究のモデルを用いてHPV感染状況の再現を行うシミュレーションモデルを構築する.また,モデルを用いてHPVワクチン接種等の政策効果を分析して可視化を行い,ワクチンの接種率によってHPV感染者数の増減を確認し,ワクチンの有用性を示すことを目的とする.ワクチンの接種率が上がると対応するHPVが減少すること,減少速度が早まるから,ワクチンの有用性が確認することができた.また,男性もワクチン接種を行うことでより高い効果が出る可能性があることが示唆された.

11:26
ベーカリーにおける欠品時情報を考慮したパンの代替性分析方法の開発

ABSTRACT. 食料品を扱う小売店において欠品はたびたび生じるが,欠品時の代替行動及び商品の代替関係を把握することは難しい.本研究では,ベーカリーのパンについて欠品時の情報を考慮し,バスケット分析を用いて代替性を分析する方法を開発する.また開発した手法を協力ベーカリーに適用し,実際の商品がどのように代替されているかを分析する.さらに代替性が高い商品を個別に分析することで特徴や傾向を探り,手法の有効性を確かめる.

11:34
地域密着型配達サービス事業の利用者特性の把握

ABSTRACT. 人口減少,少子高齢化が進む地方都市において,生活基盤を支えるシステムの創出や維持が重要である.本研究は,鳥取県内の企業が取り組む地域密着型配達サービス事業の顧客データから,サービス利用に関する要因の把握を目的とする.具体的には,RandomForestによって抽出された特徴量を説明変数の候補とした決定木分析を構築し,利用特性に影響を及ぼす要因を明らかにした.

12:00-12:30 クロージング

(1) 閉会の挨拶

(2) 表彰